【未解決事件】子供5人が跡形もなく消えた神隠し事件|ソッダー・チャイルドとは

供5人が跡形も無く消え去った神隠し事件。通称「ソッダー・チャイルド」についてまとめていく。

ムコQ

どうも、ムコQです。

今回は、1945年アメリカで起きた「ソッダー・チャイルド」という神隠し事件についてまとめていきます。

ソッダー・チャイルド 神隠し事件発生

奇妙な電話

1945年12月24日、アメリカ ウェストバージニア州。
ソッダー夫婦には10人の子供がおり、親離れした1人の子以外の9人の子供(2歳〜23歳)と暮らしていた。
家は木造二階建てで、地元では少し名の知れた「立派な中流階級」といった具合だったそう。

この日はクリスマスイブという事もあり、プレゼントをもらった子供たちは興奮して午後10時過ぎまで起きていた。

家族がやっと寝静まった午前0時半頃、一本の奇妙な電話がかかってくる。
一家の母ジェニーが目を覚まし、自室の2階から1階リビングに降りその電話に出た。
ジェニーは後に、その電話の相手について以下のように語った。

電話をかけてきたのは女性だったわ。
ガラスの音と笑い声が背景に聞こえていて、不気味な笑い方をしていたの。
知らない人の名前を言われたから、間違え電話だと伝えて電話を切ったわ。

ジェニーはリビングを見渡し、カーテンが開いたままでライトも点きっぱなしになっている事に気が付き、カーテンを閉め消灯してベッドに戻った。

事故か、それとも…

午前1時、家の屋根に何か硬いものがぶつかったような大きな音を聞き、再びジェニーは目を覚ました。しかし大きな音はそれっきりで何も聞こえなかったため、彼女はまた眠りについた。

さらに30分後、ジェニーは煙の匂いで目を覚ました。
なんと、2階の父の部屋の電話線から火が出ていたのだ。
ジェニーは夫ジョージを起こし、ジョージは息子らを起こしながら家から飛び出した。
屋根裏部屋へつながる階段に火の手が回っており、そこで寝ていた5人の子供たちは呼びかけにも応じなかったため、両親と4人の子供しか避難できなかった。

電話線も燃えており電話が機能しなかったので、通りすがりのドライバーに助けを求め、消防署に連絡。
父ジョージは屋根に登って子供たちを助け出そうとハシゴを探したが、いつもハシゴを立て掛けてある場所には何も無く、打つ手がなくなってしまった。
ソッダー家の両親と子供ら4人は、残りの5人の救助を諦め、泣き崩れるしかなかった。

見つからない骨

その後消防士らが駆けつけたが、ほとんど何もできないくらい燃え広がってしまっていた。火災発生から45分間、ソッダー家の6人は、全て燃え終わるまで眺めることしか出来なかった。

日が昇り、朝から警察と消防の調査が行われ、以下の事が判明した。

  • 火災の原因は「配線不良」による発火
  • 子供5人の骨は発見されず

多くの捜査員は「子供5人の身体を完全に燃やすほどの火勢はあったかも知れないが、1時間弱の住宅火災で骨が見つからないのは考えられない」という見解で、神隠しだと噂された。

ムコQ

そもそも人体って水分が多いし、火災で完全に灰になって骨も見つからないなんて状況はあり得ないみたい

しかし、当時の消防署長のモリスは、無理やり「骨まで灰になって消えたに違いない」と結論付けた。

ソッダー・チャイルド 事件の捜査

納得できないジョージとジェニー

家から子供5人の骨も見つからず、神隠しとも噂されたこの事件から5日後。12月30日、ソッダー家の息子ら5人の死亡診断書が発行された。
記載された死因は「窒息もしくは発砲」というもの。んー何故?

ソッダー夫婦は息子5人が死亡したと到底信じる事ができず、翌年1946年1月2日に執り行われた葬儀にも参列しなかった。

疑問が残る、警察の公式発表

ソッダー家の人々は、警察の調査結果・公式発表に疑問を呈していた。

そもそも配線不良による発火が原因とされていたが、火災初期に避難する際、リビングでクリスマスツリーが光っていたのを家族は見ていた。
火災から2ヶ月前に電気ストーブを購入した際に家の配線を引き直す工事もしており、劣化等は考えられないとしている。

更に、家の壁に立て掛けていたはずのハシゴは、家から23m離れた盛り土の下から発見されている。明らかに故意に移動させられたのだろう。

遺体が骨の一本すら発見されなかったのにも疑問は残る。
家の燃え跡から電化製品の多くが原型を留めた状態で発見され、尚更「骨が全て灰になったのでは」という警察の調査結果の内容に納得がいかなくなったソッダー家の人々は、独自に調査を始めた。

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同時期に発生した一家7人が死亡した木造二階建が全焼した住宅火災で、犠牲者全員の骨格遺物が発見されている。
この事実は、ソッダー家の人々を本気にさせた要因の一つだったみたい。

母ジェニーは、動物の死体を燃やして骨が灰になるまでの条件を調べたり、火葬場の従業員に取材した李、あらゆる手を尽くして調べた。
その結果、以下の理由から「骨が全て灰になるのはあり得ない」と結論付けた。

  • 住宅火災で遺体が全て灰になるほどの火力は出ない
  • 遺体を2,000℉(1,090℃)で2時間焼いた後ですら、骨は残る

消防署長のモリスという男

所轄の消防署長のモリスという男こそ、「骨まで灰になった」と無茶な発表をした張本人だった。

モリスに不信感を募らせた母ジェニーは、私立探偵を雇って事件自体を調査させた。
すると、「モリスが、火災現場から燃え残った心臓を回収し、個人的に埋葬した」という噂が街で出回っているという事がわかった。
ソッダー家の人々はモリスを問い詰め、埋葬場所を掘り返し、発見された”心臓”を専門家に調査させた。
調査の結果、”心臓”として埋葬されていたソレは、火に曝されてすらいない牛の肝臓である事が判明した。

その後モリスは、「行方不明の子供らが火の中で死亡したという報告書に満足して欲しく、火災後に仕掛けて自分で回収したもの。自作自演。」だと認めた。

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お騒がせ署長である。

事件は全国的な注目を集めた

事件の特異性・消防署長の奇行も合間ってこの事件は全国的な注目を集め、ウェストバージニア州議会ではこの事件について計2回の公聴会が開催された。

FBIは州間誘拐事件として一旦は捜査を開始したが、火災によりこれといった証拠がほとんど無く、2年で捜査は打ち切りになった。

ソッダー・チャイルド その後

左上からモーリス、マーサ・リー、ルイ、ジェミー、ベティ。

懸賞金

ソッダー夫婦は諦めなかった。
彼らは子供らの写真をチラシに印刷し、重要な情報の対価として5,000ドル(すぐに倍になった)の懸賞金を提供した。

写真 左:ジェニー 右:ジョージ

さらに、家の敷地と国道沿いに看板を設置した。この看板はのちに地元のランドマークとなった。

謎の手紙

事件から23年後の1967年、家のポストにケンタッキー州からとある封筒が届く。
そこには返信先の記載はなく、差出人は不明。
封筒の中には、一枚の写真とその裏にメッセージが書かれていた。

Louis Sodder(ルイ・ソッダー)
I love brother Frankie(私は、兄弟 フランキーを愛してる)
Ilil boys
A90132 or 35

ルイによく似たこの男性の写真を一目見たソッダー夫婦は、当然私立探偵に捜査を依頼したが、この男性を見つけ出すことは出来なかった。

その後

手紙が届いた2年後、夫ジョージが病で亡くなった。
遺されたジェニーは、その後20年間毎日黒い喪服を着て過ごした。
かつて家があったその場所には花を植え、1日も欠かすことなく庭の世話をしたそう。

5人の子供たちは今もどこかで生きているのか。
結局、真実が明らかになる事はなかった、とても切ない事件だ。

参考

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