ーー平成元年に起きた、衝撃的なこの事件。
実は、不可解な点を多く残しながらも、事故として処理されたままなのだ。
深掘りしてみると、まさに”怪死”と言われている理由が分かることだろう。
ムコQ
【トイレの未解決事件】福島女性教員宅便槽内怪死事件の概要
画像:未解決事件・失踪/行方不明事件・印象に残った事件 より
未解決事件を調べているなら一度は見たことあるでろう、かの有名なこの画像。
これだけ有名なのに新聞の切り抜きすらネットに転がってないのはどういう事だと、勘ぐるのは私だけだろうか。
気になった私は、当時の新聞記事を取り寄せて確認してみる事にした。
- 発見時刻:平成元年2月28日午後6時20分ごろ
- 場所:福島県田村郡都路村古道字北町24
- 状況:女性教員住宅の便槽内に、男性の遺体が発見された
- 死因:凍死
【トイレの未解決事件】福島女性教員宅便槽内怪死事件の状況
事件現場・遺体の状況
事件が起きたのは、福島県都路村という山間の静かな村のとある教員住宅。
平成元年2月28日18時ごろ、村内の小学校に勤める当時23歳の女性職員A子さんが、4日ぶりに教員住宅に帰宅した際、事件が発覚する。
(A子さんは、大喪の礼などで24日から27日まで休暇を取り、実家に帰っていた。)
トイレに入り用を足そうと何気なく便器の中を覗くと、靴の様なものを発見。
A子さんは驚いて外の汲み取り口に回り中を覗こうとしたところ、汲み取り口の蓋は既に開いており、中には男性と思われる足が見える。
すぐに教頭先生ほか同僚の教員を呼び、同僚の先生が三春署古道駐在所に通報。
・便器の中に靴のようなものを発見(ボットン便所)
・汲み取り口の方からは足を発見
ムコQ
通報を聞きつけた警官は便槽内に詰まった男性を引きづり出そうとしますが、取り出すことは出来ず。
村の消防団員も駆けつけ引っ張り出そうとしても、狭くて取り出すのを断念。
そこで、便槽の周りを重機で掘り起こし、便槽を壊してどうにか男性を取り出すことに成功。
しかし便槽の中の男性はすでに死亡しており、真冬なのにも関わらず上半身裸で着ていたと思われる上着を胸に抱えていた状態で発見された。
男性の遺体は、洗われたのちに医師による検案が行われ、死因は「凍え兼胸部循環障害」と判定された。
ムコQ
体にはヒジ、ヒザにすり傷がある程度で目立った外傷も無く、争った形跡も無い。
死後硬直の状況から、発見から二日前の26日頃に死亡したものと判明した。
多くの謎を残しながらも、警察はSさんが覗き目的で便槽内に侵入し、狭さで出れなくなって凍死したものと判断。
・取り出せないほどキツい場所で遺体が発見された
・死因は凍死
・目立った外傷は無い
・26日頃死亡
Sさんはとても人柄が良く、選挙の応援演説を任されるほどの存在だった。
警察の判断を不服に思った村民は、一ヶ月で4000人もの署名を集め三春署に提出するが、再捜査は行われず事件は幕を閉じた。
遺体で発見されたSさんについて
遺体で発見されたこの男性、Sさんは教員住宅から車で10分ほどの場所に住んでいた。
両親と祖母の4人暮らしで、スポーツと音楽が好きな好青年。
高校時代は仲間とバンドを組んでギターを弾き、自ら作詞もして作詞ノートを何冊も残していたそう。
A子さんの恋人男性とSさんは交友関係があり、顔見知りだった。
【トイレの未解決事件】福島女性教員宅便槽内怪死事件の不可解な点
ムコQ
不可解な点1:便槽から覗く意味がわからない
まずは何と言ってもこれ。
「覗こう」と思って「じゃあ便槽に潜んでしまえ、ヒヒヒ。」てなるか、という話。
仮に特殊性癖の方だったとしても、便槽内に入るという行動はかなりのリスク。
糞尿が相当量溜まっていたとしたら、「呼吸出来ないかもしれない」と考えるのが普通。
糞尿はガスを発生させるため、そもそも糞尿の量が少なかったとしても酸欠になる恐れがある。
さらに、この便槽の汲み取り口の土管の直径は36cmしかない。
かなり狭い。
ボウリングのピンの高さが38cmなので、それよりも小さいという事になる。
20代男性の平均肩幅は44.9cm(ソース)で、Sさんがいくら小柄だったとしても、直径36cmの土管に無理矢理グイグイ入っていくにしてはかなり困難なサイズだ。
動機や行動について不可解な点をこれまで述べてきたが、これが「強要された」のであれば納得できる。
実際強要されたのかどうかは不明だが「酸欠も顧みず、とても狭い、汚い便槽に体を押し込む」という行動は「覗きたい」という動機だけではどう考えても不可解だ、と筆者は考える。
それに、A子さんは当時実家に帰っており家を4日も留守にしていた。
顔見知りという事もあり、家にいないと知っていたのでは無いだろうか。
不可解な点2:靴が置かれていた場所の謎
最初に、男性の遺体が発見された状況を思い出してほしい。
なんと靴の片方は男性の顔の上に置かれていたのだ。
仮に、男性が1人で便槽内に潜ったとしたら、以下のような行動フローになるだろう。
便槽の蓋を開け、クソ寒いけど靴と服を脱ぐ
体を入れてからは身動き取れないため、先に服と靴を放り込む
→そうしなければ顔の上に靴を置く事ができない
汚くて臭いがなんとか体をねじ込み、便槽内で服と靴を掴む
便器から天井を眺めることができる位置まで移動し、靴を顔の上に乗せ服を抱きかかえる
膝を折り曲げ、あの写真のような姿勢になる
こんな感じだろうか。
しかし「覗く」目的で便槽内に入ったのに、顔の上に靴を乗せるのはイマイチしっくり来ない。
顔を隠すためだろうか。
さらにあの狭い便槽内で、靴を顔の上に乗せようと手を動かすことは出来るのだろうか。
本当にSさんは「1人で」便槽内に体をねじ込んだのか。
これも、第三者が便器側の穴から男性の顔の上に靴を置いた、と考えれば納得できる。
「顔の上の靴」が、1人で便槽内に忍び込むのは物理的に不可能だと証明してしまっている気がする。
謎が謎を呼ぶばかりだ。
そして、靴の謎はこれだけでは無い。
もう片方の靴は、Sさんの自宅付近の土手で発見されているのだ。
仮にSさんが単独で覗こうとしていたのであれば、帰ることを考えて靴は両方とも同じ場所に置かれるべきだろう。
しかし、Sさんが連れて来られたのであれば納得できる。
ムコQ
不可解な点3:A子さんとSさんの足取り
時系列を整理してみよう。
- 24日(祝日・金曜日):A子さんの休暇初日、実家へ帰省。 Sさんは家族に「ちょっと行ってくる」と残し、午前10時頃外出。
- 25日(土曜日):A子さんは実家で過ごす。 Sさんは足取りが掴めていない。
- 26日(日曜日):A子さんは実家で過ごす。 Sさんの死亡推定日、便槽内で凍死したと見られている。
- 27日(月曜日):A子さんは実家で過ごす。 Sさんは便槽内。
- 28日(火曜日):A子さんは月曜日までの連休明けで、この日は学校に出勤。夕方にSさんの遺体を発見する。
Sさんは24日の日中から家を出ており、死亡するまでの2日間どこで何をしていたのか分かっていない。
もう既に便槽内に侵入していたのか、それとも…。
元々顔見知りだったSさんは、仮にA子さんが家に不在なのを知っていたのだとすると、覗き目的で26日以前に便槽内に侵入するとは考えられない。
靴を自宅近くの土手に残し、何をしていたのだろうか。
噂によると。
村長選挙のウワサ。
イタズラ電話のウワサ。
原子力発電所のウワサ。
ネット上には、この事件に纏わる黒いウワサがいくつか書かれていた。
「Sさんは巨大な権力に消されたんだ」と訴える者や、「友人関係が原因だ」と訴える者もいた。
しかしどれも裏付けが取れなかったので、ここではこれ以上は触れない。
【トイレの未解決事件】福島女性教員宅便槽内怪死事件 最後に
これだけ有名で話題になるほどの衝撃的な事件にもなれば、インターネット上に1つや2つは新聞記事のくり抜き写真が転がってるものなんだが、全くと言っていいほど出て来なかった。
(雑誌の写真はいくつか見つかったが…)
そこで1989年3月2日(木曜日)福島民報(朝刊)の複写を送ってもらったところ、確かにこの事件が起きていた事が確認できた。
1989年3月2日(木曜日)福島民報(朝刊)より。
記事の内容を載せるのはなんか色々な権利に触れてしまいそうなのでやめておくが、
確かに「他人のトイレマンホールで男性凍死」という見出しで、小さく記事になっていた。震えた。
「Sさん単独の覗き未遂で起きた事故」として考えるには不可解な行動が多いこの福島女性教員宅便槽内怪死事件。
本当は何が起きていたのか。
2021/10/16 追記
Twitter等での問い合わせが非常に多い。
特に「福島民報の複写の写真をくれ」というもの。
確かに、以前までの写真はモザイクで大部分を隠していて訳分からなくなってしまっていたので、これについては差し替えた。(上の写真)
新聞の著作権に詳しいものに聞いたところ「該当箇所の引用だったら問題ない。まんま書き写して横流ししてアクセスを稼ぐような行為は良くない。」という見解らしい。
そこで、この事件の部分を以下引用させていただく。
他人のトイレマンホールで男性凍死
都路
二十八日午後六時二十分ごろ、田村郡都路村古道字北町二四、教員住宅、古道小教諭、A子さん(二三)のトイレのマンホールのふたが開いているのを近くの同僚が見つけ、中に人の足があるのを発見し三春署古道駐在所に届け出た。
三春署で調べたところ、中で男の人が死んでおり検死の結果、凍死と分かった。
投資したのは同村岩井沢、会社員Bさん(二三)。
Bさんは、二十四日午前十時ごろ自宅を出たまま行方が分からず家族から同署に捜索願が出ていた。死体の硬直状態から二十六日ごろ誤って転落死したのではないかとみている。
A子さんは大喪の礼などで二十四日から二十七日まで休暇をとり県内の実家に帰省中で当時は留守だった。
感想・考察等、是非コメントください。
ムコQ
こんにちは。韓国に住んでいる27歳の会社員です。記事は、本当に興味深いよく読みました。ただし質問おりたかっにおける文を少なくなります。韓国ではこの事件が、実際起こらない架空の事件という意見があまりにも多いのです。もし証拠となる資料がでしょうか?
Chocoさん
コメントありがとうございます。
「事件」として処理されていないこともあり資料が少ないので、なんとも言えないですが、
当時の新聞記事は確かに確認できたので、便槽内で怪死体が発見されたのは事実だと思います。
回答ありがとうございます。申し訳ありませんが、もう一つ質問してもいいです?もしスレッドでモザイク処理されている記事の原文を見ることができますか?煩わしくて本当に申し訳ありません。
メールアドレスはコメントの「j」から始まるもので合ってますか?
もしそうなら原文の写真をお送りいたします。
回答ありがとうございます! jで始まるnaver.com系列のメールアドレスが正しいです。親切で詳細な回答にもう一度ありがとうございます。他のスレッドも非常に楽しく読んでいます。有益なブログ活動をいつも応援しています。
ボウリングのピンは「高さ」が38cmですよ。正確には38.1cm。
直径は12.1cmです。
こんばんは。本当に興味深い記事でした。ちょっと遅い感じもしますが、もしよければ福島民報の記事原文を見ることができますか。長い日々検索しましたが、結構昔の記事のせいか見つかることができませんでした。もしよければメールにもらえることができるでしょうか。
返信が大変遅くなり、申し訳ございません。
新聞の記事について当記事にて追記させていただいておりますので、そちらをご確認ください。
いつも拝見させていただいております。
この事件に興味を持ち、色々調べたことがあります。未だに納得はいかないですね。この事件の犯人とされる方は、人柄がものすごく良く、評判の好青年だったそうです。お父様が無実を信じて長い年月再調査を要請し、取り壊されることになった便槽とまったく同じサイズの模型を作って保存していたと聞きました。その写真もどこかで見たことがあります。この事件をモデルにした映画も見ましたが、本当になにか大きな力が動いたとしか思えません。選挙関係の黒い噂が辻褄が合うなと私は思いましたね。
犯人でなかったとしたら、無念で仕方ありません。これからも考察楽しみにしております。
スーラ様
返信が大変遅くなり申し訳ございません。
選挙関係の黒い噂、どこか掲示板か何かで目にしましたが確かにあれが一番しっくり来ますね。
これからもマイペースではありますが記事を更新していきます。お楽しみ頂ければ幸いです。
入れるか実験した人達が居るみたいだが胸部圧迫させながら凍死させた死体を入れて手や足まで折り曲げる方が余程大変
自ら入った事は明白である
組織的な犯罪なら殺してから山なり海なり持っていく方が簡単で確実
仮に生きて帰って来たら大変な事になると思うとこんな中途半端な事は絶対にしない
また検死もしているのに暴行の痕があった話なんか全く聞かない
よって覗き目的で侵入した男が出る事が出来なくなり凍死した事件だったとの見解が妥当だと思います
立派な人間性ばかり主張されますが国会議員は小児性愛では絶対に無いとかノーベル賞受賞者は同性愛者が居る訳無いとか弁護士は盗撮しないと言っている様なもの
性癖なんてそんな物だし人格とは切り離して考えなきゃ
全然モテるイケメンが見ず知らずの人を強姦する事だって有るし死体にしか興奮しない人だっている
とは言えこの事件を取り上げて未来永劫笑い者にしましょうって取り組みには反対しませんが
>とは言えこの事件を取り上げて未来永劫笑い者にしましょうって
>取り組みには反対しませんが
なんかココの文、イヤだね。
こんなことを書くから、「ワシらに逆らった者はこうなる」という見せしめ目的で、
あのような辱めを伴う形での死に方を見せた組織あり、なんて勘ぐられてしまうんだよ。
覗き目的の果ての凍死、状況からしてあり得ない話ですよね。みんなマンホール側から入ったと思ってるけど、便器を一旦外して便器側からならあのような体制でなんとか入る事が出来るのではないでしょうか?そうなると完全な事件です。自分で便器を元どおりにする事なんて出来ませんから。どう思われますか?
そうじゃなくて自ら入った事は明白であるなら
なぜそうなのかとかそれなりの考察してから書いてくれや
悪いが色々と黒いことだらけですよ、この事件の取り巻きに居る連中は。
女性教員A子、23歳と若いけど、もっと若いころはアバズレだったことで有名。
で、確か教員免許取る為には4大卒条件じゃなかったっけ?なのにA子は短大出。
この村に教員として来てからも、同僚教員に婚約者が居るのに関わらず村の青年団
の男、被害者のS氏とも肉体関係を伴う付き合いだったと言う話し。
更に更に、このA子のお父っつぁん、警察幹部だっていうしね。どの位の役職なのか
までは不明だけど、実家が県内のどっかなら県警職員の上位役職な可能性も。
もうコトが起こることは確実なので、娘A子のアリバイ作りの為に呼び戻したとも
考えられる。事件後はそそくさと家族ごと、どこかへ越していったとも。
三春署員が駆けつけた破いいが、事件現場に規制線も張らず現場写真を撮っていない
という、ワザとらしいお粗末さ。これじゃあ、どさくさで一般人の誰でも現場に入れるよね(笑)。事件現場に居た主な署員は全員、退職も含め三春署から去っていったとも。
遺体発見後の通報後、三春署員到着時には既に何故だか現場に誰かが手配した
バキュームカーが到着していたとの目撃証言も。
セオリーなら便層内の汚物を最初に汲み取るためのバキュームカーと察せられるけど、まず現場で引きずり出したS氏の遺体を強力な水流で1度目の洗いにかけて
しまったという。体に引っ付いた汚物を洗い落とす為と言われれば納得かもしれ
ないが、現場保持観点からそれはやってはならんのだよね。
だから、前記した規制線なしの誰でも現場立ち入り可能(な状態にしておく)とも
リンクする。
知ってか知らずかの三春署員の初動捜査ミスが重なって、S氏の遺体の本当の姿は
署員と水洗い加担の人物しか知りえないというお粗末さ。
上で1度目の水洗いと書いたが、実は2度目も行っている。S氏遺体を青年団詰め所
に運んだ後も、そこでもう一度水洗いして、それから検死官に引き渡している。
担当検死官。プロなら当然調べることを行っていない。多分正確にはセオリー通りに
行ったのだろうが、公的文書にはあえて書かなかったのだろうと推測できる。
それは胃の内容物の検死。この内容が判れば大まかな死亡推定時刻を割り出せる。
それに連なってS氏が出掛けた後の足取りのヒントも大いに掴める。どうやらそれを
掴ませてはいけなかったらしいね。検死において、どこかの段階で検死官に圧が
かかったことも大いに考えられる。それと関係しているのか、までは断言出来ない
けど、この検死官、やっぱり退職してるんだよね。何かを知ったまま。
福島原発についても書きたいけど、原発が絡むともっとコトが壮大すぎてね・・・
一言で書くと原発の存在で潤っている自治体が、原発稼動を事故が原因で止められたり
したら??
原発反対派の村長候補が当選してしまったら?
原発推進派の現職村長陣営が、当選の為なら「諭吉さん」を花咲爺さんのごとく
散らしていたら?