ーー時に、集団心理は人を壊してしまうほど恐ろしいものだ。一歩離れて、客観的に見ていれば間違っていると分かることでも、その場にいると分からない。
今回は、そんな集団心理で約100人が命を落とすまで踊り続けた「ダンシングマニア」という怪事件を紹介する。
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ダンシングマニアとは、主にヨーロッパで見られた、何の脈絡もなく人々が突然踊り出し、死ぬまで大勢で踊り続けてしまうという怪事件の総称。社会現象の類だ、という説もある。
記録にある限り最古のダンシングマニアは7世紀に発生しており、その他にも
- 1278年 ドイツのマース川の橋の上で200人が乱舞する事件
- 1374年 イタリアで人々が何も食べずに踊り続け餓死する事件
が起きている。
そんな、歴史上何度か起きているダンシングマニアの中で最大級の被害をもたらしたのが、フランスのストラスブールで起きたダンシングマニアだ。
ストラスブールのダンシングマニア
画像:https://japaneseclass.jp/trends/about/ダンシングマニア より
この絵は、ダンシングマニアの様子を表したもの。
記録によると、踊っていた人々の多くは女性だったとのこと。
絵では少し伝わりづらいが、確かに「さっきまで家事をしてました」と言わんばかりの格好をした女性が何人か描かれている。
ダンシングマニアの発端
1518年7月、フランスのストラスブールで発生したこのダンシングマニアのきっかけは、1人の女性が狂ったように踊り出したことだった。
重要なのは、「狂ったように踊り出した」というところ。「アヒャヒャヒャヒャ〜!!」とでも言いながらタップダンスでもしてたのだろうか。どんなダンスだったのか気になる。
最初は物珍しさで人集りができ、徐々にその踊りに人々が加っていった。そして1週間後には、昼夜問わず踊り狂う群衆が、100人を超えたのだった。ドンストップミュージック、狂気のチキンレースである。
結局100人以上が命を落としたダンシングマニア
一ヶ月後。その踊り狂う群衆は減ることはなく、400人を超えた。その場の一体感は、踊りを辞める者を許さない。正に踊ることが正義。「腹減ったからオレ帰るわ〜」など言語道断。
当時の警察当局は、「まあ気が済むまで踊らせておけば収まるだろう」と考え、何と市庁舎の一部を解放し、広場には打楽器や管楽器を奏でる楽団を誘致し、住人を踊らせ続けた。警察公認のパブリッククラブである。
踊り狂う群衆を、警察が市庁舎に誘導したと考えてみると少し面白い。
結局、400人を超える住人たちは食事もろくに摂らず一心不乱に踊り続け、最終的に100人以上が命を落とした。笑い事じゃなかった。
ムコQ
1人倒れた時点でみんな中断すればいいのに、と思うのだが、群衆の人々は、まさにチキンレースの精神。踊りの辞め方を知らなかったのだろう。
ダンシングマニアが発生した原因
当初、「踊り続けた住人は異端のカルト教団の信者なのではないか」という意見もあったらしいが、目撃情報などによると、自らの意思に反して踊っているようにも見えたとのこと。
「楽しそう、私も踊ろ〜」と狂気のダンス集団の中に入ってしまったらもう最後。体が壊れるまで踊り続けることになってしまう。
なぜ、この集団ヒステリーとも言うべき現象が、一度ではなく何度も起きてしまったのか。
研究者も頭を悩ませているらしいのだが、有力な一説によると、
踊り狂っていたのは街の貧困層で、飢餓や疫病による苦しみからトランス状態に陥り、踊り出したのではないかとのこと。
要は、飢餓でろくに食料もなく、疫病で最愛の人も失い、「もう踊ってないとやってられんわ」状態である。
まとめ
なぜ死ぬまで踊り狂ったのか。その理由は今も謎に包まれている。集団心理というものは恐ろしい。
まさに犯人のいない怪事件と言えよう。
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