ーー中世のとある修道僧が、誓いを破り、監禁させられてしまう。彼は、そこでの厳しい刑罰に耐えるために、一晩で聖書を写本することを誓った。
しかし、事はそんなに上手くはいかず、朝までに写本が書き終わらないことを悟ったのだ。
太陽や草木も熟睡していたとある夜、一人独房の中の修道僧は神に背を向け、悪魔に契約を持ちかけた。
「私の魂を引き換えに、写本を完成させてほしい。頼む。」
ギガス写本。それは悪魔が書いたとされる、謎だらけの聖書の写本。
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知っておいてほしい時代的・宗教的背景・ギガス写本について
さっさとワクワクする伝説ストーリーを読みたいであろうせっかちな皆さんのためにチャチャっとまとめておきますね!
- 聖書を写し書く作業は、当時、とても過酷で苦行とされていた
- 修道僧は、過酷な禁欲生活を過ごしていた
画像:wikipediaより
- ギガス写本(Codex Gigas)は「大きな写本」という意味
- 現存する最大の中世文書
- その名の通り大きい本で、長さは約1mもあり、重さは約75kg
- 624ページ全て肉筆
- 160頭ものロバの皮膚が使われている
- 文字には、虫のインクが使われている
- 聖書・古代の歴史・薬物療法・魔法等が記されている
こんなに大作なのに、未だに製作者は不明。
ムコQ
修道僧と堕天使ルシファーとの契約
ーー13世紀初め。
ボヘミア(現在のチェコ)のベネディクト会の修道院で修道生活を送っていたとある修道僧。
生涯独身を貫かないといけないほどの厳しい禁欲生活に耐えられなかったのだろうか、彼は誓いを破ってしまい、独房に監禁されてしまった。
そんな彼は、厳しい処罰に耐えるため。そして修道院を永遠に称え、全ての人類の知識を集めるべく、一晩で聖書や歴史書などを写本することを神に誓ったのだ。
しかしおっちょこちょいな修道僧。一晩で写本なんて無理ゲーである。そう、物理的に。
真夜中になって彼は、朝までに写本が書き終わらないことを悟った。まあわかってた。そりゃそうだ。
「一晩で辞書を丸写ししてこい」と言っているようなものである。そんな宿題出来っこない。
ましてや、当時は羽にインクを付けて書くしかないので無理ゲーと言うレベルではないのだ。羽が擦り切れちゃう。
悩んだ末彼は、写本の完成を誓った神に背を向け、後の魔王サタン:堕天使ルシファーに契約を持ちかけた。
「私の魂を引き換えに、写本を完成させてほしい。」
おかしな話である。
聖書を悪魔に写してもらおうだなんて。ク○パにスーパーマリオ○ラザーズのラスボス戦(クッ○戦)をリモコン渡してプレイさせるのと同じようなものだ。
もちろん堕天使ルシファー様の返事は、
「いいよ」
おかしな話である。
寛大すぎるルシファーさんはこの契約に乗った。そして、本当に1晩で写本を完成させたのだった。
画像:wikipediaより
修道僧は感謝の意を表すため、その聖書の写本の本来空白のページだった290ページ目に悪魔の絵を追加したのだった。
はい、伝説おしまい。
ちなみにこの写本には、悪魔払い呪文の章も存在している。ルシファーさんは自分の殺し方マニュアルを書いたことになる。意味がわからない。
余談
ムコQ
パズ○ラとかモンス○とかに登場するルシファーさんは、なんだかすっごくカッコよかった気がする。
しかし本物は、パンツ全体に毛が生えててガリガリのフォルムらしい。
なんかショックだが、期待させるように洗脳したゲーム製作会社(ガン○ーとか)が悪いっすね。
さて話を戻して。ここから、少し考察してみよう。
ギガス写本の不可解な点
悪魔は聖書に触れることができない
そもそもすぎて草である。
愚者の侃々諤々 というサイトにも、この点が1番の謎だとして紹介されていた。
※以下はそのサイトの引用です。
この本の不思議な点としては、一般的には本来、聖書は聖なる本で邪悪なモノを寄せ付けないはずと理解されており、悪魔祓いでも聖書や聖水を使うのは知られているところです。しかし、その悪魔の大敵といえる聖書に悪魔がどうして触れることができるのか、まして、その作成をすることができたのかという疑問が、本書の大いなる神秘として指摘されているようです。
うん、そりゃそうだ。
時間的制約
仮に伝説が嘘で、ルシファーさんが書いた訳じゃないとしたら、
一晩で完成させるのは現実的じゃないので、修道僧が年月をかけて書いたということになる。
しかし。
画像:スウェーデン国立図書館の”codex-gigasのページ”で見ることができます
なんと驚くべきことに、専門家や研究者による筆跡鑑定や、使われているインクの鑑定の結果、全ページ一人で書かれたものでインクも一種類だと断定されたのだ。
There is no doubt that virtually the whole manuscript (text and corrections) was the work of one scribe.
=ほとんどすべての原稿(テキストと訂正)が1人の筆記者の仕事であったことは間違いありません。
かかった時間も一応計算されており、一般的な睡眠や生活の時間も考慮すると、最短で20年かかると言われている。
20年もの間、筆者の老化・病気・視力の低下・体力の低下に耐えながら、ミスをせずに書いたという点において、完璧すぎて逆に怖い・不自然すぎると言われている。
筆跡鑑定などの結果からすると、筆者単独説がかなり濃厚で「やはり悪魔が書いたんだ」と囁く人は少なくない。
デカすぎるし重すぎる
予習したと思うので思い出してもらいたい。なんとこの写本の重さは約75kgだ。
非常に巨大で、運ぶのに最低でも2名の人物が必要となる。そんな写本を、本当に一人が書き上げることはできるのだろうか。
最後に
ーー果たして人が一生を賭けて書いたものなのか。それとも悪魔に魂を売って一晩で書いたものなのか。
800年経った今でも、この巨大な写本は、研究者の頭を悩ませている。
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