【約60億円の財宝】100年間以上未解読のままの暗号文書:ビール暗号の解読法と歴史

ーー埋蔵金、隠された財宝、宝の地図…。それらはいつの時代になっても多くの人々をワクワクさせてきた。

今回紹介する「ビール暗号」は、財宝の所在地、財宝の内容、財宝の受取人が書かれているとされる、100年以上未解読の暗号なのだ。

【A MAZE IN ABRACADABRA】世界最高難易度の暗号サイト:973-eht-namuh-973.comとは 【042933964230】留守番電話の暗号事件。Cicada3301は関係しているのか!?

ビール暗号とは?

ビール暗号(Beale cipher)は、アメリカで1822年頃に書かれた暗号文で、1885年に小冊子「ビール文書(The Beale Papers)」が発行された事によって世間に知られるようになった、未だ解読出来ていない暗号だ。

 

このビール暗号は3つの暗号文で構成されており、それぞれ

  • 財宝の所在地
  • 財宝の内容
  • 財宝の受取人

が書かれていると言われている。

この小冊子「ビール文書」には、ビール暗号の歴史について紹介されており、小冊子によると、トーマス・ジェファーソン・ビールという人物が、1820年にとある場所に財宝を埋めたとされていて、現在の価値で6500万ドル相当と見積もられているとのこと。

早速暗号を解読して埋蔵金を掘り当てて一生遊んで暮らそう!と思っている読者の皆様、まずはこの「ビール暗号」の歴史を読んでからにしてほしい。

ビール暗号の歴史

登場人物について

まず、ビール暗号を語るために登場人物を整理しておこう。

 

ロバート・モリス(Robert Morriss)

※以下「モリス」

モリスについて
  • アメリカ ヴァージニア州のリンチバーグにあるワシントンホテルのオーナー

 

トーマス・J・ビール(Thomas Beale)

※以下「ビール」

ビールについて
  • モリスのワシントンホテルの客
  • モリスによると、「黒く日焼けした肌を持つ、極めて優れた容貌の美男子で、特に女性に人気があった人物」とのこと

 

ビール暗号の逸話

時は1820年1月。

ヴァージニア州 リンチバーグに聳えるモリスのホテルに、「トーマス・J・ビール」と名乗るイケメンが客として利用した。約3ヶ月そのホテルで過ごした後、春になるとホテルを立ち去った。

そして2年後の1822年1月、ビールは再びモリスのホテルに客としてやってきた。2年前と同じように約3ヶ月間過ごした後、また去っていった。

しかしこの時ビールは、モリスに「重要な書類を預かっていてほしい」”鉄の箱”を手渡したのだ。

ムコQ

おお!ワクワクしてきたぞぉ!

 

それからしばらく経ったある日、モリスの元にビールから一通の手紙が届いた。その手紙によると以下の内容が記述されていたらしい。

  • 預けた鉄の箱には、「隠した財宝に関する重要書類」「モリス宛の手紙」が入っている
  • その書類は暗号化されていて、手がかりになるものがなければ解読できない
  • この手紙を受け取ってから、10年間、箱を保管してもらいたい
  • 10年以内に取りに行くが、もし取りに来なかったら鍵を壊して箱を開けて良い
  • 10年後の1832年6月以降に、暗号解読の手がかりになるものを送る

 

モリスはビールの言う通り、鉄の箱を10年間保管した。優しいモリス。

しかし、10年経ってもビールが取りに来ることはなかった。しかも、1832年6月以降に届くと言われていた、”手がかり”も届かなかった

 

13年後の1845年、優しいモリスも痺れを切らし、鍵を破壊して鉄の箱を開けた。すると1822年のビールからの手紙の通り、3枚の暗号化された文書と手紙が出てきた。

 

その手紙によると、以下のことが分かった。

  • 1818年3月、ビールとその仲間達は、サンタフェで地面に埋もれていた金を発見した
  • 18ヵ月の間掘り続けて、大量の金と銀をゲットした
  • ビールとその仲間達は、ヴァージニア州 リンチバーグに財宝を隠した
  • 3枚の暗号文書には、それぞれ財宝の隠し場所、財宝の内容、財宝の受取人のリストが書かれている

 

この手紙を読んだモリスは、「暗号を解読して、財宝を探し出そう!」と考え、暗号解読をスタートした。

しかし、手がかりが何もないため、17年費やしても解読できなかった

1862年、80歳を超えたモリスはとある友人に事情を打ち明け、暗号解読を託した。すると、なんとその友人は、2枚目の文書(財宝の内容)を解読したのだ。

(解読方法・内容は次のページで)

 

財宝の内容を知ったモリスの友人は、同じように1枚目と3枚目を解読しようとしたのだが、やはり手がかりがないのでなかなか解読できなかった。

そしてモリスの友人は、暗号解読にふける日々を送り、遂には仕事に手がつかなくなってしまったのだ。

 

1885年、一人で解くことは困難で、世間に公表するのが最善の策だと考えたモリスの友人は、自分の名前を伏せ、ジェイムズ・B・ウォード(James B. Ward)に代理人兼発行人となってもらい、小冊子「ビール文書(The Beale Papers)」を発行した。

このビール文書の発行後かなりの反響があり、ビール暗号の話を聞きつけた人々がリンチバーグに押し寄せ、宝探しをした。

10年以上宝探しを続けたような熱狂的なファンもいたが、財宝が見つかる事はなかった。

 

次のページ:ついに解読編

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)